日記・コラム・つぶやき

裁判員制度2 - 弁護士と裁判官

ここ半年程後輩の裁判を傍聴させてもらって、なるほどなと思うことがあった。裁判は裁判官と弁護士がやるもので、彼らは司法試験を合格した仲間であり、我々素人さんは部外者だということである。
後輩の裁判は、広告会社からの委託で仕事をしたのに対価を払ってもらえない後輩が内容証明を出し、反応がなかったために、支払い督促をしたら、それに異議申立をされたために通常裁判に移行したものである。世界的に有名な広告会社が、たかが20万円のために、外国法事務弁護士事務所のアソシエイトとはいえ、弁護士(彼女は日本人なので、通常の訴訟業務はできるらしい)をつけて真面目に闘うつもりじゃあないよね、と思っていたら、和解の提案が4割=8万円とせこいことを言われたので拒絶したら、簡易裁判所に呼び出しされた。
この債権回収は、テレビ放映がからんでいたので、別の会社も広告会社から後輩の倍以上のお金を払ってもらえず、支払督促→4割の和解提案拒絶→裁判へ、と同じ道をたどり、結局はこの会社のほうに後輩の事件が併合された。そうすると、見えてきたのである、司法試験合格同士の仲間意識が。
後輩の事件の裁判官は弁護士がついていない我々債権者のほうにも耳を傾けてくれていたのだが、媒体会社の事件の裁判官は、我々の陳述書もよく読んでおらず、「私にはようわからんのですわ」と言ってのける。わからないなら、ちゃんと予習して質問すればいいと思うのだが、そういうことではなく、素人が作った書類なんか読みたくないという態度が見えみえなのである。一度弁護士に陳述書を手伝ってもらったら「弁護士に書いてもらったの?」と聞いて、「やっとわかった」と言っていた。そんな難しい事件ではなく、口約束が常識の広告業界のことを、多少わかりやすく書いてくれただけの話。
対する債務者代理人の弁護士もすごくて、第一回から副代理人を出席させていたくせに、本人に自分の名前を名乗らせ、我々がそれを裁判官に指摘したら、あとから副代理届を出したらしい。答弁書も当日持ってくるし、我々の陳述書もまだ見ていないとのたまう。が、裁判官は優しく常に彼女をかばうのである。こちらは全員むっとしつつも、「なるほど、こういうことだったわけね」と初めての経験を楽しみつつ、どうぎゃふんと言わせてやろうかと作戦を練ることになる。
後輩は「最高裁判所の裁判官だったら(国民審査で)罷免してやる」と言っていたが、残念なことに、簡易裁判所じゃあ罷免権がない。でも、これが刑事裁判だったら、裁判員が裁判に参加するようになったら、あの不気味な仲間意識ってないものなんだろうか?裁判員制度が成功するか否かのヒントはこんなところにも隠されているように思う。

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