パサジェルカ
すごく久しぶりに演劇を観た。場所は、天王洲アイルにある銀河劇場。天王洲アイルには、EMIミュージック系列の「TERRA STUDIO」という音楽スタジオが寺田倉庫のビルにあって、昔アレンジャーのマネージャーをやってたときに、時々そこで録りをやっていた。その時はあまり建物がまわりになくて、夜はかなり寂しいし、結構見晴らしがよかったんだけど、久しぶりに行ってみると、既に一つの街、が形成されていた。
私が観に行ったのは、男性だけの劇団「Studio Life」の公演「パサジェルカ」。これは、ポーランドの作家ゾフィア・ポスムイシの原作を劇団唯一の女性倉田 淳さんが脚本化したもの。昔アウシュビッツ収容所に勤務していたドイツ人が収容所で世話をしたユダヤ人とそっくりの人間と出会って、過去を暴かれる・・って結構重そうな内容だったので、前の日に、友人と遊び過ぎて4時間くらいしか寝てなかった私は、もし面白くなければ爆睡、を覚悟していたのだが、面白くて、結局一睡もせずだった。
最初は、女性二人が主役なのに、見るからに男性、が女装をしているものだから、「うーん、おかまの女装みたいだ」と違和感を覚えていたのだが、時間が経つうちに、あんまり気にならなくなった。が、ユダヤ人の女性の婚約者が偶然収容所で昔の婚約者と再会し、二人の逢瀬をドイツ人女性が手助けするときに「同情」だの「嫉妬」だのって語りが出てくると、「男なんだけど、女役やってるわけで、いまの同情は誰から誰?」と混乱してきて、なんだかそれも含めて面白かった。
アウシュビッツと言えば、ワシントンの「ユダヤ人博物館」を思い出す。膨大な資料と展示の妙で、ヒトラーがユダヤ人にどれだけ残酷なことをしたのかを、体験として理解することができる。圧巻は、ガス室で死んでいく人々の写真。ガス室を上から覗き込んでその姿を見るような展示方法で、目をそむけたくなるし、うなされそうなおそろしさだけど、事実なのである。ワシントンには、スミソニアンの様々な博物館や美術館があって、みんなタダで入れるのであるが、ユダヤ人博物館にも足を運んでほしい。
パサジェルカは、結局ラストがなんとなく曖昧なままに終わることがかえって余韻を残してくれて、印象深かった。Studio Lifeの公演、機会を見つけて、又観に行きたいなと思う。
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