ヴィルヘルム・ハンマースホイ展
上野の国立西洋美術館で「ヴィルヘルム・ハンマースホイ」展を観てきた。
今日は今年一番の冷え込み(だと思う)で、最近まで暖かかったのに、急に夏から冬になった感じ。日本には四季があるっていうのが、売りだと思うのだけど、最近は秋とか春をほとんど感じないうちに季節が変わる。2001年にニューヨークに住んでた時に、東京から遊びに来た友人が真顔で「日本は温暖気候から熱帯気候に変わりつつあるんだよ」というから、「まぁた、冗談を」と言って信じなかったのだが、戻ってきて以来、夏はものすごく暑くて、冬はニューヨークの同じくらいと感じることが多くなって、本当だったんだと実感。夏は熱帯気候で、冬はもっと寒いのはなんだっけ、ツンドラ気候?これも地球温暖化のせいなんでしょうか?
それはともかくとして、早くいかないと混む、と思って10時過ぎに出発して、「ぎょえー寒い!」と思いながら上野に11頃到着すると、高年齢層をを中心にすごい人。美術館の中も混んでたらいやだなーと思いながら中に入ると、絵によって混んでいたり、空いていたり。絵の解説をしているヘッドフォンとレコーダーが借りられるのだが、その解説が付いている絵の前にはヘッドフォンマークと番号がふってあって、そこだけは、みんな解説聞きながら立っているので、他の絵より人ごみになっているのである。どうなんでしょうね、あれ。
ハンマースホイは、19世紀末から20世紀初めに活躍したデンマークの画家で、その写実的な表現が17世紀オランダで活躍したフェルメールと似た部分もあってか、最近改めて注目を集めているらしい。もちろん私も今回の展覧会までその名前は全く知らなかった。絵は、一言でいうと「全部静物画」。肖像画や人物が含まれる画も多くあるのだが、みんな背景の部屋と同様動かない。そして、描かれる絵のほとんどは、輪郭がぼやけていたり、椅子の脚の数が足りなかったり、不安感を掻きたてるものばかり。全く明るさや希望を感じさせないのである。でも、だからこそ、ずっと見ていても飽きさせない不思議な絵であった。肖像画や室内描写でも妻のイーダが何度か登場するのだが、肖像画はこれが30代の女性?と思うくらい目の下にはクマ、疲れが現れていたり、室内描写はほとんど後姿で、静物画状態なので、別に彼女である必要ないのでは、という状態である。思うに、明日がどうなるかわからないこの不景気の人々の感情にぴったりくる絵でもある。久々にいい展覧会を見ていい気分であった。
せっかくなので、西洋美術館に行くたびに観ている常設展も覗いた。ルノアールの1点くらいしか覚えてなかったが、ゴーガンとかマネとか、印象派の作品がいっぱいあって、改めて自分の記憶力のなさにびっくり。西洋美術館の中庭からは、色づき始めた紅葉を見ることができて、これも収穫だった。
すっかり冷えて帰ってきたので、うどんをゆでて、たぬきうどんにして食べる。やっぱり冬は鍋とうどん、ですね。
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