カリフォルニアの弁護士試験が、今回から若干変更されたので、概要、受験した感想を書いておこうと思う。
カリフォルニアは、今までは
1日目 午前:エッセー3問 午後:パフォーマンステスト1問
2日目:MBE
3日目:午前:エッセー3問 午後:パフォーマンステスト1問
であったところ、2017年7月より
1日目 午前:エッセー3問 午後:エッセー2問 パフォーマンステスト1問
2日目:MBE
となった。
配点も、変更に応じてエッセー2/3 、MBE1/3だったものが
エッセーとMBE 50:50の比率となった。
よって、英語でライティングする能力、速さでネイティブに劣る外国人にとっては
ちょっと気が楽になる配点になったと言える。
今回受験しての所感をまとめると
1. エッセーの科目がミックスされ、より複雑怪奇な問題になった
エッセーが1つ減らされたことによって、出題科目が減るのではなく、逆に複雑な問題を出題するところ、さすがCal Bar Examinersである。
ちなみに、1. Community Property, 2. CA Evidence + Civil Pro + Professional Responsibility, 3. Contract + Remedies, 4. Civil Pro, 5. Torts
であった。。また、CA Subjectsを知らずに解ける問題は3、5ぐらいだと思う。また、Tortsは、典型的なRace Horseのため、書こうと思えばいくらでも書けるが、時間を超過すれば、その分PTにかけられる時間が減るため、どこかで諦めることが肝心と思う。
2. Ca のPT は、MPTとは違う
MPTは、もともとカリフォルニアのPTを参考に、NCBEがこれを統一試験として採用したものと聞く。今回からは、その3時間のPT2問を、90分の1問にしたものである。3月にCA BarがReleaseした Sample PTを見ると、MPTに近いんだろう(それでもBriefがアサインされているので、侮れないとは思ったが)と想像し、Applicantは、MPTを勉強していたものと思う。
実際に出題された問題は、4th Amendment Search & Seizureがらみで、Libraryには、1つのケースしかなかった。一瞬ギョッとする問題であり、ケースを読んだ後、Fileまで読むと、「え、なんで4th Amendmentに言及する必要あるの?」と、今度は混乱状態。
これからどんな問題を出題するのか想像つかないが、時間は90分に短縮されても、Ca Bar のPTは、 MPTではないと覚悟を決める必要があると思う。
3. MBEと、エッセーの勉強は分離して考えるべき
今回MBEを受けてみて思ったのは、かなりトリッキーになっていて、ちゃんと全文読んでから
回答しないと間違えるような問題が増えた、ということである。以前は、Bar BariやPMBR(現Kaplan)の問題の方が実際のMBEより難しいから、これが解ければ大丈夫、というのが定説であったら、どうも本ちゃんのMBEが、Bar Bri, Kaplanの設問に近づいていると感じる。よって、見て即答できる問題は少なく、午前中に途中で席を立って帰っていく受験生は皆無であった。そうなると、NCBEから Release された問題のみ(Civil Procedure 除く)であるAdapti Barの問題は、過去のストレートな設問で構成されており、これだけやっていても、合格はできないということになる。
それと、試験日は少なくなったものの、合否の発表のタイミング(夏の発表は11月、結果を待ってから勉強しても、次の試験合格はかなり危うい)や、10万円近い受験料は、以前と同様である。改善されたのは、3日というプレッシャからの解放と、一泊分のホテル代が節約できることくらいか?
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